見た目はそっくりな2つのソファ。片方は3万円、もう片方は15万円。この価格差は、いったいどこから来るのでしょうか?
「安いほうがお得」と飛びつきたくなりますが、家具の場合、その差は「見えない部分」に表れます。数年後に後悔しないために知っておきたい、家具の価格と品質の関係を解説します。
01CUSHION
ソファや椅子の価格差がいちばん出やすいのが、中に入っているクッション材(ウレタン)の密度です。密度の低いウレタンは、最初はふかふかでも、早いうちにへたりやすい傾向があります。
一方、品質にこだわったソファは、密度の高いウレタンを何層にも重ねたり、座面の下にバネ(Sバネやコイルスプリング)を組み込んだりしています。見えない内部構造にコストをかけているからこそ、長く使っても座り心地が変わりにくいのです。
※商品ページで、座面の構造(ウレタンの種類、バネの有無)が記載されているかもチェックしてみましょう。
02MATERIAL
テーブルやチェストの価格差は、まず素材に表れます。
木の粉や繊維を固めた板(パーティクルボード・MDF)に、木目を印刷したシートを貼ったもの。手頃な反面、水や傷に弱く、表面が剥がれると補修が難しくなります。
VENEER
天然木を薄くスライスして芯材に貼ったもの。表面は本物の木で、反りや割れが起きにくいのが特長です。
SOLID
天然木をそのまま使ったもの。価格は上がりますが、傷がついても削り直しがきき、使い込むほどに味わいが深まります。
※無垢材は湿度によって伸び縮みする素材のため、乾燥や冷暖房の風で反りや割れが出ることがあります。エアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。素材の違いはVol.145 「本物」を知るということでも詳しくご紹介しています。
03FINISH
家具の美しさを決める「塗装」にも、価格差が表れます。手頃な家具は、工程を少なくしてコストを抑えていることが多いもの。
一方、品質にこだわった家具は、下塗り、研磨、着色、上塗り…と何度も工程を重ねることで、木目を生かした深い艶と、傷や汚れに強い塗膜をつくっています。この「手間の差」が、そのまま価格に反映されているのです。
04CRAFTSMANSHIP
クラシック家具の魅力のひとつが、美しい彫刻。とくに手彫りの彫刻は、熟練した職人がひとつひとつ時間をかけて仕上げるため、どうしても価格に反映されます。
「よい家具」には、それをつくるための「人の時間」がたっぷりと注ぎ込まれています。価格には、その技術と手間に対する価値が含まれているのです。
05SUMMARY
価格差が出る「見えない部分」チェックリスト
ソファ・椅子:ウレタンの密度やバネなど、座面の内部構造
木製家具:無垢材・突板・プリント化粧板のどれか
塗装:艶や手ざわり、塗装の工程へのこだわり
装飾:彫刻やディテールの仕上げの丁寧さ
安い家具を数年ごとに買い替えるか、少し高くても長く大切に使える家具を選ぶか。長い目で見れば、後者のほうが結果的にお得になることも多く、何より「よいものを使っている」という満足感が得られます。目先の価格だけでなく、その奥にある品質を見極めて、長く愛せる家具を選んでください。
※座面がへたったり張地が傷んだりした椅子を長く使うための張り替えについては、Vol.121 椅子の張り替えはできる?でご紹介しています。